2008年11月05日

菊の季節に

仙台では只今菊が盛りを迎えています。

自宅の菊も満開で
記念館に飾ろうと持参しました。

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館内には菊が一番似合うと考えております。

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毎年今の時期は、記念館では菊を飾っております。


阿部次郎三女・故大平千枝子さんは
『父 阿部次郎』の昭和34年10月20日、
つまり阿部次郎の亡くなった日について
このように記していらっしゃいます。


 「昭和三十四年十月二十日、今日も底抜けの上天気。
  空は青く深く、いちょうの葉は黄に窮まって輝き、
  そこここの貧しい路地には、小菊が咲きこぼれている。
  病室は昨日のままの静けさであったが、父の嶮しい顔がずっと緩んで来た。
  頬に喰い込んだ唇が、やっと外に現れ出した。
  堅く閉じられた両目のあたりもどことなく柔らいで、
  この世を捨てんとするごとき厳しさはもう消えている」

 (大平千枝子、1999、『父 阿部次郎』東北大学出版会:148ページより)


記念館開館の数か月前に東北大学出版会から発行されたばかりの
『父 阿部次郎』を読んで、この一節に出逢って以来、
私にとっての「阿部次郎に捧げる花」は、菊の花となりました。

それも大輪の菊ではなく、
小さく群をなして咲いている、色とりどりの菊の花です。

以前大平さんのご執筆のお手伝いをいたしました際に
私がこのように考えている旨申し上げましたことを
今でも鮮明に覚えております。

その大平さんも昨年(2007年)10月
東北大学開学100周年の記念の年に
初めての全学同窓会が開催された日に、お亡くなりになりました。


今では菊の花は、私にとっては
阿部次郎と大平千枝子さん、お二方を偲ぶよすがとなっております。
posted by 青田三太郎 at 17:00| 宮城 ☀| 記念館の日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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